タグ・ホイヤーもポルシェも、モータースポーツの長い歴史に深く根付き、特にホイヤーの場合は、1世紀以上も昔からモーターレーシングでの計時における初期の技術革新に貢献してきたという伝統を誇ります。さかのぼること1911年、ホイヤーは世界初のダッシュボード搭載クロノグラフ「タイム・オブ・トリップ」を開発し、1933年にはダッシュボードタイマー「オータヴィア」へと進化させます。この計器は、ル・マン24時間レースやラリー・モンテカルロのような権威あるレースイベントで使用される極めて重要性の高いツールとなり、その精度の高さから、プロアマを問わずモータースポーツのさまざまな大会で欠かせないものとなっていきます。
この両ブランドの共有された歴史を物語る象徴的な出来事が起こったのが、1965年のラリー・モンテカルロ。リンゲとファルクが駆るカーナンバー147のポルシェ911は、ホイヤーの「ラリーマスター」を頼りに、過酷を極めるコースを見事走破します。このホイヤーの計時機器は、視界が極端に悪い中でパイロットが状況を判断するための信頼できる基準を提供してくれることから、彼らにとってなくてはならないものと考えられていました。後にペーター・ファルクが回想しているように、吹雪が猛威を振るう最中には、コンパスと計時機器だけを頼りにコースを進むしかなかったのです。1965年にラリー・モンテカルロに初参戦した911は、1968年から1970年まで圧倒的な強さで3年連続の総合優勝を飾るなど、ポルシェのラリーにおけるその後の輝かしい戦績への道を切り拓いて行きます。こうしたレースではホイヤーのダッシュボードタイマーがトップレベルのチームのほとんどで採用されていました。
ラリー競技が発展するにつれて、ポルシェの参戦もモンテカルロだけでなく、東アフリカ・サファリラリーやパリ・ダカールラリーといった伝説的なレースへと広がり、911もモータースポーツ界のレジェンドとして確固たる地位を築いていきます。モータースポーツにおけるタグ・ホイヤーの影響力も拡大し、オートラリーコレクションのモンテカルロのようなダッシュボードクロノグラフは、モータースポーツの頂点を極めるために必要な精度を提供したことから、ラリードライバーにとっての必須のツールとなりました。
「タグ・ホイヤー カレラ クロノスプリント × ポルシェ ラリー」は、このパイオニア精神を受け継ぎながら、最新の技術革新を取り入れたタイムピース。自社製ムーブメントTH20-08を搭載し、約80時間という驚異のパワーリザーブを誇るクロノグラフです。TH20-08のクロノグラフ機構は、ポルシェとのパートナーシップのために特別に開発されたもので、2つのスネイル(かたつむり)型ホイールにより、中央の秒針が1分の最初の15秒間は加速して動き、その後減速してきっかり1分で一周します。サファイアクリスタルのケースバックから見えるポルシェのステアリングホイールを模したローターが、このタイムピースと911に込められたエンジニアリングの伝統をつなぐもうひとつの印象的な絆を形作っています。
時計のデザインも同様に魅力的で、初期のポルシェのダッシュボードの要素が反映され、1965年にカーナンバー147のポルシェ911に搭載されたホイヤーのダッシュボードタイマーから着想を得ています。1965年に発表された「ホイヤー マスタータイム / モンテカルロ」ストップウォッチに倣ったブラックダイヤルは、鮮やかなコントラストで視界の悪いコンディションの中でのレースに欠かせない要素である視認性を高めています。ベージュのマーキングはオリジナルの911のステアリングホイールを模しており、ボディワークの光沢を想起させるダイヤルの仕上げが洗練されたタッチを添えています。
フランジ右側の赤い線は、速度を視覚的に表現したもので、1965年のラリー・モンテカルロでカーナンバー147のポルシェ911が達成した時速0kmから100kmへの到達時間8.4秒に捧げるオマージュです。この記録は、最初の1963年型901の9.1秒を上回る加速性能です。ダイヤルに施された手の込んだディテールが、ひとつの完成形としてのこの時計のデザインに深みを与えています。シルバーリングのコントラストが映えるアジュラージュ加工のサブダイヤルは視覚的な奥行きを与えます。前面だけでなく背面にもグラスボックスを採用したダブルグラスボックス構造によって、視界を遮られることなくムーブメントが見えるだけでなく、人間工学に基づいて時計の形状が改善され、快適でシームレスな装着感を実現しています。フロントのサファイアクリスタルがダイヤルをエレガントに縁取る一方、ケースバックからはポルシェにインスパイアされたローターが覗きます。
この「タグ・ホイヤー カレラ クロノスプリント × ポルシェ ラリー」では、ステンレススティール製モデルもイエローゴールド製モデルも、卓越性へのこだわりが余すところなく表現されています。ステンレススティール製モデルには、クラシックなH型ブレスレットと、ベージュのステッチが施されたブラックのパンチングレザーストラップが付属し、さまざまなシーンに合わせたスタイルを楽しむことができます。一方、ゴールドモデルは、18K 3Nソリッドイエローゴールド製。ベージュのステッチを施したブラックのパンチングレザーストラップと、ライトブラウンのパンチングレザーストラップが付属し、気分に合わせてパーソナライズが可能です。
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